どこまでも歩いていく

歩きながら考える。主に山登りとか。

家から山に登ろう 後編

前回の内容はこちら家から山に登ろう 前編

正午アラーム音が鳴り至福の二度寝から目覚める。直後、どこから湧き出て来たのか分かりませんが、何の迷いもなく決意します。出発しようと。普段であれば、休日お昼まで寝ていれば余程の予定がない限り、もう今日は何もしなくていいや、となるはず。ましてやこれから5〜6時間かけて25km歩くなんて論外。しかし、なぜかこの日に限っては一点の曇りもなく、起きた瞬間に出発しようと決心しました。慌ただしく身支度を整えバナナを胃に流し込み、12:38出発。まるで朝寝坊した学生のような早業でした。謎。家を出る前に見た天気予報で午後一時的に雨マークが付いていたことには見て見ぬふりをします。

自宅を出てまずは住宅街を南下していきます。家から10〜15分くらいの近場でも初めて来た場所には、こんなところもあったのかと新鮮な気持ちになります。その後、国道17号方面に向かい、17号を超えた先でお花がきれいな公園、と思いきやお墓を発見。公園墓地と呼ぶそうです。


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樹齢700年の藤の花が名物。曇りがちなのが残念。晴れていたらもっと綺麗だったことでしょう。

そこから2km程度南西に歩いて行くと荒川沿いに差し掛かり、今までの住宅街からがらりと雰囲気が変わります。道路の左右に広大な土地が広がっています。進行方向に対して左手が自動車学校、そして、右手には警察の自動車訓練所。警察側では、黒塗りセダンをパトカー2台がキーキーとけたたましいブレーキ音を立て、凄い勢いで追いかけています。なかなかの迫力につい見入ってしまいました。ドラマでしか見たことのない光景でした。その先では、川を挟んで左右にゴルフ場や野球場、畑がずっと遠くの方まで広がっています。まだここも同じさいたま市であることが嘘のようです。続いて、荒川に架かる治水橋を渡って行きます。この付近は地上から10−20mくらいの高さにあり、周囲に風を遮るものは何もなく強風に煽られます。というか、暴風です。風が強くて寒いです。橋が長いです。寒い。長い。寒い。長い。橋の長さは833.1mとのことです。こんなところを徒歩で渡っている人は他にいません。自転車すら1名途中ですれ違っただけでした。風でよろめきながらも何とか橋を渡り、荒川に隣接するびん沼川を渡った先で富士見市に入りました。現在時刻は14:05、家を出てから約1時間30分になります。というか富士見市というのがあるんですね。ふじみ野市の存在は知っていましたが。富士見市の皆様申し訳ございません。しかも、これがまた、富士見市ふじみ野市が隣あっているということに驚愕と混乱。地図を見てみるとびん沼川付近に富士見市ふじみ野市の境界があり、ここは富士見市だけど少し先はふじみ野市になっているようです。そして、気になったので後で調べてみたところ、東武東上線ふじみ野駅富士見市にあるそうで、もはや賞賛と平伏。犬だったら仰向けになってお腹を見せています。

富士見市ふじみ野市の混乱から何とか立ち直り、14:28 出発してから2時間程経過したこともあり、三社公園という地元民でしか知り得ないであろう小さな公園で小休憩。ゼリー飲料でエネルギー補給をします。するとマダム2名が犬の散歩で公園に入って来ました。平日の真昼間からこんなところのベンチで休んでいる男がいると驚かせてしまう恐れがあった為、休憩を切り上げ逃げるように公園を後にします。余計に怪しい。

その後は前述の東武東上線ふじみ野駅方面に向かいます。東上線の線路を越えた先に天然温泉真名井の湯なるものを見つけます。正直このどうでもいい企画を真面目に遂行せずとも、何の問題もなく、温泉でも入って帰ってしまおうかという誘惑に駆られますが、いやいや、温泉になど入れる身分かと自分を戒めます。

15:30 約3時間経過。少し小腹が空いた為、ローソンでからあげくんレッドを購入。今日は朝8時に起きた際に食パン2枚と二度寝後のお昼過ぎに家を出る前にバナナを1本食べただけでした。店内にイートインスペースがなかった為、店の外で立ち食い。今日はこのからあげくんが効果覿面。ローソン休憩の数分後、もりもりと力が湧いてくるのを感じました。ローソンを後にしてからは、関越自動車道を横切り運送会社の物流センターが立ち並ぶ長い一本道を歩いて行きます。こんな殺風景なところを歩いていても何ひとつ楽しくはありませんのでさっさと通過します。幸い本日は割と調子が良く、特にからあげくんを食べてから、いや、くん付けはおこがましいので、本日に限りからあげさんとします、からあげさんのおかげでつまらない風景の道もさくっと進むことが出来ました。途中で埼玉名物山田うどんを発見。懐かしさもあり猛烈に食べたくなりましたが、少し前にからあげさんを食べたので後ろ髪を引かれる思いで山田うどんに別れを告げます。その後、西武新宿線の高架下をくぐると少し疲労を感じて来ましたが、残り4km程度です。続いて西武池袋線の線路を渡り、こうなるともう残り少しなので休憩を取らずに勢いで行きましょう。

17:26 住宅街の先に鬱蒼とした森。

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到着しました。5時間切り達成です。からあげ様のおかげです。休憩も前半の小さな公園で5分、からあげ様をいただいた際の5分、計10分で到着することが出来ました。調子も良かったですね、これが100kmの時だったらなあと思いましたが仕方がない。園内に入り少し歩いて行くと登り坂が出現しました。おや、いよいよ登山道の開始なのかな。すると、

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立派な鳥居と山頂が見えました。つつじが真っ赤に咲いていてとてもきれいでした。しかし、よくこれを人工で作ったな。ちなみに荒幡富士の由来はこちら。
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では、鳥居に一礼して登頂開始です。

すると、ものの1分も経たないところで、二合目と記載された石が。こちらは、合目石(ごうめいし)と呼ばれるものになります。そのまま過ぎです。あれ、一合目ありました?二合目石の出現が早すぎて、一合目見落としていました。
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三合目も見落とします。

四合目を見つけました。
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四合目を確認したところで、ようやく全てに設置されていることに気がつきました。(遅)

ということで今度は見落とさず、五合目。
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続きまして、六合目。
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では皆様、残り少なくなって来ましたので、登っているつもりで一緒にご唱和お願いいたします。

七。
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八。
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九。
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九合目から5歩で〜、やりました。山頂です。

17:34 鳥居から登り初めて記録2分で登頂達成。
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丹沢から富士山、奥多摩方面まで結構いろいろな山が見えるんですね。本日は霞んでいてひとつも見えませんでした。ただ、思っていたより周りを見渡せ夕方の雰囲気も相まって気持ちが良かったです。

さて、ひと通り山頂を楽しみましたので、下山に取り組みます。登山の事故は下山で起きるとよく言われますので気を抜かずに行きましょう。集中力と緊張感をしっかり保ちながら、凡そ2分で鳥居まで戻ってくることが出来ました。2分もかかっているのかな。下山後は園内のベンチで持参したコーヒーとワッフルで登頂を祝います。途中で食べようと思っていたものですが、からあげ様のおかげで食べずにたどり着くことが出来ました。しかし、ワッフルを食べ始めた直後、蚊が襲来。止まっていると刺されそうな気がした為、ベンチから離れ立ち食いスタイルに変更。コーヒーでワッフルを流し込んで退散します。

ちなみに、前回帰るまでが登山だとほざいていましたが、帰りは電車で帰りました。往復すると距離が50kmと長くなってしまい今回はそこまで負荷をかけるつもりもなかったので、当初から往復は考えていませんでした。

いや、しかし今日は良い運動になりました。帰っておいしく夕飯を食べられそうです。